実は論文もある!蛙化現象とは♡
皆さんはグリム童話の『カエルの王子さま』をご存じでしょうか?カエルの王子様とは、魔法使いによって呪いを掛けられ、カエルの姿になってしまった王子様が、お姫様のキスによって呪いを解かれるという物語です。(『美女と野獣』の野獣が、カエルになったようなものです。)
お姫様は醜いカエルを毛嫌いしていましたが、父である王の言いつけもあって、助けてくれたカエルにキスをします。すると呪いが解かれて、素敵な王子様が出現!そして、そのまま2人は恋に落ちるという物語です。
童話ではお姫様の感情は、「大嫌い」⇒「大好き」へと好転しますが、実は蛙化現象の場合はこの正反対なのです。なんと蛙化現象では、格好良く憧れていた王子様が、醜いカエルのように、見るのも声を聞くのも嫌な存在になってしまいます。
そんな「大好き」だった相手が、恋愛が始まった途端に「大嫌い」になってしまう女性心理を指したのが、蛙化現象という用語なのです。
ちなみに、結婚して何年も連れ添ったパートナーを粗大ごみのように感じてしまうのも、似たような心理から来ているのですが、 今回はあくまでも「恋愛の初期状態」に限ってお話しいたします。
好きな相手を嫌いになる!?蛙化現象の原因や心理
理想と現実のギャップ
付き合う前の片思いだった状況から、ついに両想いになった時に、人はさまざまなギャップに遭遇します。特にこれまでは相手が憧れの存在だった場合、欠点はほとんど見えていなかったでしょう。
しかし、相手も生身の人間です。ちょっとした癖や習慣が気になる場合もあると思います。また、距離が近づいたことによって、相手が気を許して態度や、言葉遣いが変化していく可能性もあるでしょう。
これはあなた自身が「王子様」を美化しすぎていたことに起因します。付き合う前後で態度の変わる男性は多いですが、それは「もともとそういう男性だった」の一語に尽きます。
恐らく付き合い始める前にもなにかしらの兆候はあったのに、あなた自身が目をつぶってしまっていたのでしょう。離れていたときは気にならなかったことでも、人は近くに居ればいるほど、気に障って仕方なくなってしまいます。その結果、蛙化現象が起きてしまうのです。
性的な目で見られる恐怖
付き合いたての場合、これまでのアイドル状態だった王子様が、急に人間くさく感じられるときがあります。たとえばオスの本能で性的な関係を要求されたときがよい例でしょう。
男性の側からすれば、付き合っているのだから性的な行為をいずれは期待してしまいます。しかし、特にこれまでそういった経験がほとんどなかった女性は、突然に性的な対象になることに対して、 生理的な嫌悪感を覚える場合があります。
過去に痴漢や、性的ないたずらの被害にあっていた場合はなおさらでしょう。その場合、王子様が他の男性と同一に見えてしまい、一気に幻滅します。
相手の期待に応えるのが怖い
不思議なものですが、片思い中の場合、恋が成就しないことを「自分がダメな人間だからだ」と思うことによって、 正当化しようとする心のはたらきがあります。
これは「ダメな自分」と「恋愛の実らなさ」を結びつけることで、自分自身を納得させてあきらめようとする、自己防衛反応の一種です。
ダメな人間は、このままではいけないと思いながらも、心のどこかでは居心地の良さを感じています。それは「だって自分はダメだから…」という言い訳が常にできるからです。
けれども、ひとたび恋が実れば、これまでの「ダメな自分」ではいられません。その時に「彼氏に釣り合うように、自分磨きをしよう!」とプラスに思えればいいのですが、たいていの場合は「こんな自分のどこが好きなのだろう」と思い始めます。
人に好意を向けられたことに、正しく向き合えないのです。さらには、「ダメな自分を好きな彼は、結局はダメな人間じゃないか」と、自分の自信のなさを棚上げしたまま、 彼氏に責任を押し付けてしまい、蛙化現象に繋がっていきます。